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- 作者: 福井晴敏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/06/15
- メディア: 文庫
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沖縄から米海兵隊が撤退した。それは米国防総省が、たった一人のテロリストに屈服した瞬間だった。テロリストの名は「12」。最強のコンピュータウィルス「アポトーシス2」と謎の兵器「ウルマ」を使い、米国防総省を脅迫しつづける「12」の正体は?真の目的は?圧倒的スケールの江戸川乱歩賞受賞作。
あらすじを見た限りではコンピュータ関係の話かと思っていたのですが、読んでみればバリバリの自衛隊小説(そんなジャンルはないか…?)。話は「川の深さは」→本作→「亡国のイージス」と物語の流れがある。しかし世界観を共有していることを知らず、まずは有名な「亡国のイージス」を先に読もうと50ページほど読み進めたところで本作の結末に遭遇…。急いでこちらから読みましたがネタバレに気づいてから読んでも後の祭り(泣) 乱歩賞受賞の力作だけに落胆が大きい。
文章にパワーを感じるけれど無骨すぎるという感じです。比喩がいちいち堅苦しく、不自然に感じた。また話を壮大にさせよう、見せようという意図が出すぎで、気疲れしてしまう。デビュー作という事もありますが、もう少し全体の構成に抑揚をつけた方がいいと思う。
私の貧困すぎる発想が原因かと思われていた、発言や行動から東馬にシャア(ガンダム)を、理沙に綾波レイ(エヴァンゲリオン)を感じていた、という感想は外れてはいなかったみたいですね。著者は自他共に認めるガンダムマニアらしいので、少なくとも前者は順当な連想だったみたいです。ただ、それによって、本書の重厚さが薄れ、どうにもミリタリーマニア+アニメというマニア度の高い、現実世界の話というよりも虚構のフィクション感が強い印象を残してしまう。