やっぱり猫が好き

やっぱり猫が好き

傑作コメディ「やっぱり猫が好き」から「はまぐりペペちゃん」「松茸が食べたい!」など、シナリオ8本をアドリブやハプニングも含めて単行本化。全作品リストや、もたい、室井、小林の特別鼎談も収録。


やっぱり猫が好き(以下「猫」と省略)」というドラマをご存知だろうか? ドラマというよりシチュエーションコメディ(シットコム)といった方が正確か。この本の著書となっている、もたいまさこ室井滋小林聡美の3女優が3姉妹という設定で、ドラマの登場人物はこの3人だけ。しかも自宅マンションの1セットという制限の中で、毎週おかしな日常を放送してた(らしい)。実は私はリアルタイムでは、この番組を見たことが無い。しかし、ある時から私は「猫病」に感染し、周囲から白い目で見られるぐらいハマった。ビデオを借り、DVDを買った。ハッキリ言って、この本に収録されている話なんて、台本無しでも一から思い出せる。いや、私でなくても好きな人なら読む価値はほぼ無い。だってビデオやDVDで見ればいいのだもの。では私やファンにとって、この本のとは何か?それは文字にして初めて発見する事があるって所だろうか。普通のドラマと違って、このドラマでは出演者の台詞がかぶる事は日常茶飯事で、私のような繰り返し見る者でも、あの場面でかや乃姉ちゃんは何と言っているのか?レイ子の突飛な台詞は何なのか?きみちゃんのモノマネは文字に起こすとどうなるのか?などなど見ているだけじゃ疑問が残る事を解決するのがこの本の役割だろうか…?
ハイ、嘘です。大体、分かりますよ何回も見てれば…。やっぱり最後の鼎談が目当てかな。短いけれど…。この本が出版された時点(98年)で、もう放送開始から10年経っているので、皆さん当時の記憶があまり残ってないみたいですが、もたいさん・室井さんの「猫」に対する思いや、小林さんの前で行われる三谷(幸喜)さんの話、撮影秘話などはやっぱり知りたいもので、とても嬉しい。室井さんの最後の発言は、ある程度サービスであろうとも、もらい泣きしそうである。「猫」は、この3人だから好きなのだ。05年もDVDや新作が出ている根強いファンのいる作品である。

やっぱり猫が好きやっぱりねこがすき   読了日:2003年12月05日